私が彼を殺した  (講談社NOVELS) 
ほかの判もあるそうですが私はこれしか読んでません。


この作品も最後まで加賀の推理は書かれずじまいで誰が犯人なのか読者が考えなければならいようになっている。で、例により私の推理を以下開陳。



実は脅迫状を書いたのは穂高だった。いや書かせたのは穂高だった。彼は妻とその兄のスキャンダルを自分の宣伝に使おうと企んでおり、確たる証拠が欲しかった。で、あの脅迫状を駿河に書かせた。同封したカプセルはただの鼻炎薬だが、見てそれと分かるように細工がしてあった。恐らくカプセルの中身が少し減らしてあったのだろう。穂高は前日「薬がもう、切れたようだ。」と言って飲んで時間が経ってないのに一個もらっている。脅迫状に入れたのはこのときの実は飲んでいないカプセルだ。駿河はしかしカプセルをストリキニーネ入りのものに摩り替えて脅迫状に仕込んだ。更に一方では「考えてみれば相手はバカじゃない。お前の姦計はバレバレだ。時宜を待とう。」と言ってストリキニーネ入りのに摩り替えてそれを穂高にかえした。そう、駿河は夜中に浪岡準子の部屋に毒入りカプセルを取りに戻っていたのだ。結果的に穂高に返したほうがヒットした。
が、ここで問題が生じる。そうするとカプセルが一つ余ってしまうのだ。穂高の手元に駿河から帰ってきたカプセルと美和子から回ってきた分と二つのカプセルが残ってしまう。駿河には片方を回収するチャンスがなかった。なのにカプセルは余らなかった。なぜか?誰かが飲んでしまったのだ。ホテルのスタッフに鼻炎の美女がいたのだ。穂高はその女に気前よくピルケースを差し出したのだ。あくまで客ではない。ナンパできる可能性の低い女に穂高ほどの下司がピル一つ奢るわけが無い。加賀はその可能性に気がついてボーイとかに当たってその美女を突き止めた。加賀が「指紋の謎が・・・」って言ったのは”なぜピルケースにカプセル2個が?”と言う意味だったのだ。もちろん駿河は本物の鼻炎薬は捨てた。
一方、神林貴弘の持っていたもう一つのカプセルはどうなったか?それは妹に与えた。「あいつは悪いやつだ。いつか殺さなければならない時が来る。」と無理やり押し付けた。美和子はそれをゴミ箱に捨ててしまった。それを言っても信じてもらえず刑事に美和子が犯人だと思われてしまうので美和子はは黙っていたのだ。また貴弘は美和子が犯人だと思っているのでやはり黙っていた。だから彼は自分が穂高を殺したと思っている。でも加賀はちゃっかりホテルのゴミ箱からカプセルを回収していた。それには貴弘と美和子の指紋がついていた。加賀は駿河が捨てた本物の鼻炎薬も回収していたのかもしれない。それには穂高と駿河の指紋がついていた筈だ。加賀はこれらのことも全て含めて「指紋の謎も解けました。」と言ったのだ。


この作品のミソは加賀が握っている情報が書かれていない。って部分にあるのだと思う。私はそれを活用して犯人を推理してみた。

ピルケースは前妻とペアものがもう一個あるので、駿河がボーイに渡す際、毒入りのピルケースと摩り替えた。・・・って推理を最初にしたが簡単すぎてダサいので捨てた。それにペアってのは全く同じもの二つでペアとは言わない。少し違ってるからペアなんであって全くく同じだったら「同じのを持ってました。」って言うんじゃないか?ペアだったら少し違っているので簡単にバレてしまう。ってか全く同じモノだったとしても犯人がサクサクっと特定できてしまって「指紋の謎が・・・」ってほどの謎じゃなくなる。むしろ、駿河がペアのと摩り替えたと考えたのは雪笹としたい。そうすると「私が彼を殺した。」と独白したのも頷ける。






と、こんな感じなのだが、いかがだろうか?